コラム

いちじくなら和歌山県産で決まり!紀州のいちじくの美味しさと濃厚な甘さの秘密に迫る

和歌山県産のいちじく

優しい甘さとフルーティーな香りが魅力の果物「いちじく」。

「無花果」と表記されるいちじくは、日本では江戸時代初期から育てられていることから日本人にとって馴染み深い果物です。

いちじくは一つの木に沢山の実を付けることから、「子宝に恵まれる」「多産」「裕福」などのポジティブな花言葉が付けられています。

ジャムやドライフルーツとしてもお馴染みのいちじくですが、実は和歌山はいちじくの生産が盛んに行われている地域なのです。

ここでは和歌山で採れるいちじくの魅力についてご紹介します。

和歌山のいちじくは生産量全国1位

いちじく生産量日本一の和歌山

和歌山県のいちじくの出荷量は、全国の果物の生産動向を調査する特産果樹生産動態調査(農林水産省)が初めて実施された平成29年度において、初めて全国1位に輝きました。

2018年のいちじく生産量の都道府県別割合では和歌山が19.3%のシェアを誇ります。

参照:食品データ館 【都道府県】イチジクの産地・生産量ランキング

和歌山はいちじくの生育に適した環境

和歌山県内での主ないちじく生産地域は紀の川市、和歌山市、岩出市、南海市、かつらぎ町にあたります。

これらの地域は和歌山県の北部に位置しており、この地域は瀬戸内海式気候に分類され、年間を通じて温暖、日照時間は豊富、天気や湿度も比較的安定している地域です。

さらに、この地域では降水量も少ないため、いちじくの栽培に非常に適している地域と言えます。

和歌山のいちじくの特徴

和歌山で採れたいちじくは、すっきりとした爽やかな甘みと、舌の上でトロけるような食感で、とても美味しいと全国的にも人気です。

和歌山県内で栽培されているいちじくの品種は数あり、それぞれ味や見た目に個性があります。

桝井ドーフィン

桝井ドーフィン

桝井ドーフィンはいちじくの中では国内でもっとも栽培されている品種であり、果実が大きく果皮が濃い赤紫色、ねっとりした食感で濃厚な甘みがある特徴のいちじくです。

サマーレッド

サマーレッドは秋と夏の両方に実を付ける品種で、桝井ドーフィンより一週間早く収穫できる品種です。

桝井ドーフィンに比べて赤身が強いワインレッドの果実で、さっぱりとした口当たりが特徴です。

蓬莱柿

蓬莱柿

蓬莱柿(ほうらいし)は白っぽい果肉から「白いちじく」と呼ばれており、日本で歴史が長いことから「在来種」という名前でも呼ばれています。

桝井ドーフィンなどに比べてやや小さめの果実で、黄緑がかった褐色の果皮が特徴です。

生産量が少ないため、希少ないちじくとされています。

いちじくの栄養価

いちじくは本来、薬用植物として親しまれてきたほどの栄養価の高い果物で、特に女性にとっては嬉しいビタミンが豊富に含まれています。

主な栄養素は以下の通りです。

いちじくの主な栄養素効能
ペクチン水溶性食物繊維の一種で、便を柔らかくする効果や善玉菌の働きを活発にするため悪玉菌の増殖を抑える効果があります。
カリウムミネラルの一種であるカリウムは体内の余分の塩分や水分を排出する役割があるため、むくみに効果があります。
植物性エストロゲンいちじくのつぶつぶに多く含まれる栄養素で、女性ホルモンと同じ働きをします。生理痛やPMS(月経前症候群)、更年期障害を和らげる効果があります。
アントシアニンポリフェノールの一種のアントシアニンは強い抗酸化作用があり、動脈硬化や老化の原因となる活性酸素を取り除く働きがあります。
フィシンタンパク質を分解する酵素で、食べ物の消化を助けてくれる効果があります。
鉄分貧血や疲れを予防してくれます。

美味しいいちじくの選び方

美味しいいちじく

美味しいいちじくを選ぶ際には、以下のポイントに気を付けて選ぶことをおすすめします。

お尻の部分が割れかけている

完熟したいちじくは果頂部と言われるお尻の部分が割れてくる特徴があります。

そのためお尻の部分が割れかけのものは食べ頃のサインと言えます。

しかし、いちじくは発酵しやすく、日持ちがしない果物のため、派手に割れているものは鮮度が落ちている可能性があります。

店頭に並ぶいちじくは少し早採れのものが多く、お尻の部分が割れていないいちじくが並ぶことが多いです。

果皮に張りと弾力がある

いちじくの形がふっくらとしていて均整がとれており、わずかに弾力があるものを選ぶと美味しい果実に当たります。

未熟な果実は硬く、味は酸っぱかったり甘さが無かったりします。

果皮が赤褐色

いちじくは熟すと果皮が赤褐色に変わるため、できるだけ全体が均一に色づいているものを選びましょう。

果皮が緑色のものは、果肉が硬く、甘味が薄い可能性があります。

色味に差があった場合は、少しでも濃い方を優先し、触ると少し柔らかでしっとりした触り心地のものを選ぶと良いでしょう。

逆に果皮が黒ずんでいたり、しなびていたり、傷が目立つものは、鮮度が落ちていたり味が落ちている可能性があるため、これらは避けた方が無難です。

甘い香りがするもの

いちじくは熟してくると独特の甘い香りを放ちます。

熟れた実を選ぶ時は香り高い果実を選ぶと良いでしょう。

しかし、香りが強かったとしても果肉がブヨブヨしているものは熟れ過ぎの可能性があります。

日持ちしないいちじくは発酵しやすいため、発酵臭を感じたらその果実は避けましょう。

傷がないもの

いちじくは傷みやすいため、小さな傷があっただけでもそこから傷み始めます。

選ぶ際には表面に傷や傷みがないかを確認しましょう。

和歌山いちじくの美味しい食べ方

いちじくの美味しい食べ方

そのまま食べる

和歌山のいちじくを美味しく食べるには、やはり生で食べるのが一番美味しい食べ方でしょう。

そのままかじっても美味しいですし、スライスしてクリームチーズと合わせてカナッペとして食べてもワインや日本酒などの酒のあてによく合います。

また、いちじくには肉を柔らかくする効果があるので、肉料理のガルニチュール(付け合わせ)として食べることも美味しい上に理にかなった食べ方です。

焼いて食べる

焼いたいちじく

いちじくを焼いて食べる方法は、いちじくが苦手な人でも食べやすい食べ方です。

カットしてオーブンで焼いただけでも美味しいですし、オリーブオイルをかけたりパルメザンチーズをかけて食べれば、白ワインにピッタリの一品になります。

スイーツとして焼き菓子の中に入っているものも美味しいです。

和歌山いちじくの保存方法

保存する前のいちじく

いちじくは繊細で傷みやすいデリケートな果物な上に、追熟しない果物でもあります。

ですので、冷蔵保存する場合であっても翌日までに食べることをおすすめします。

冷蔵保存の場合

冷蔵保存する場合は、水気が付いていたら拭き取って、一つずつラップに包み、バットやタッパーに重ならないように並べて野菜室で保存しましょう。

冷凍保存の場合

洗ったいちじくの水分を拭き取ったら、ヘタを切って食べやすい大きさにカットします。

一つ一つラップで巻いたらジッパー袋に入れて冷凍庫で保存してください。

食べる場合は解凍せずに、凍ったまま食べることが美味しく味わえるポイントです。

美味しくて栄養満点の和歌山いちじくを是非味わって

いちじくヨーグルト

和歌山で育ったいちじくは、生でも加工品でも甘くて香りが強く美味しいフルーツです。

いちじくを食べたくなったら是非和歌山に遊びに来て、もぎたてで新鮮ないちじくを食べてみてください。