コラム

和歌山県のじゃばらは花粉症に効果あり!その理由と美味しさについて解説

和歌山県のじゃばら

じゃばらという果物があることをご存じですか?

最近ネットやテレビで話題になっているので、名前だけなら知っているという方がいるかもしれません。

名前は知っているけれど実物は見たことがない、口にしたことがない、何故話題になったのかが分からない人もいると思いますので、ここではじゃばらとはどのような果実なのか、話題となったきっかけなどをご紹介します。

じゃばらとはどのような果実?

じゃばらという果実

じゃばらとは、ゆずや温州みかん等の自然交配で生まれた柑橘で、見た目はゆずよりも大きく、約130g程度の重さがあります。

果皮の色は緑から黄色をしており、香酸柑橘類に分類されます。

この香酸柑橘類のグループにはゆずやライムも含まれていますが、香酸柑橘類は一般のみかんとは異なり、酸味が強く、生で食べるには向いていません。

しかし、果汁が豊富でゆずやすだちとはまた違った風味があり、酸味と糖度がバランスの良い果実なのです。

じゃばらは縁起が良い果実

じゃばらは強い酸味を持つことから、あまりの酸っぱさから鬼も逃げ出すと言われたことで、邪気を払うという「じゃばら」と名が付けられました。

このような縁起の良い特性から、じゃばらはさんま寿司や昆布巻き、海苔巻きなどのお正月料理としても重宝されています。

じゃばらは和歌山県北山村でしか自生していない果実

北山村のじゃばら

じゃばらは昔から日本で唯一の「飛び地」である北山村にしか自生しない果実です。

元々は1軒の家の庭から見つかり、自然に別の種や品種の花粉が付いたことで生まれた自然交雑種であり、その希少性から幻の果実と言われていました。

今ではじゃばらは三重や奈良、愛媛、佐賀など北山村以外でも生産されていますが、それでも収穫量からみればみかんやゆずなどの他の柑橘類に比べて少ないため、そういった意味でも幻の果実と言われています。

じゃばらは花粉症に効果あり!話題になった理由とは

花粉症とじゃばら

じゃばらは何故突然インターネットやテレビで話題に挙がったのでしょうか?

じゃばらが話題となったきっかけは、実はじゃばらは花粉症に効果があることが研究で分かったことによります。

抗アレルギー成分が他の柑橘類に比べて圧倒的に多かった

じゃばらにはフラボノイド成分の1つであるナリルチンが、他の柑橘類に比べて非常に多く含まれていることが分かりました。

このフラボノイドが花粉症などのアレルギー反応を抑える成分で、実際に1,000名を対象とした花粉症効用モニター調査を行ったところ、何らかの効果があったと答えた人が約5割という回答が出たのです。

ナリルチンとは

野菜や果物、豆類などに含まれるフラボノイド成分の1つである「ナリルチン」は、アレルギー反応を抑制する働きがあります。

この成分は、アレルギー反応が起こる過程での炎症原因であるヒスタミンの放出を抑える働きがあり、花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などのⅠ型アレルギー症状(即時型、アナフィラキシー型、IgE保存型)に効果があるとされています。

ナリルチンは他の柑橘類にも含まれていますが、じゃばらには特に多く含まれていることが以下の表で分かります。

代表的な柑橘類ナリルチン含有量(mg/個)
ダイダイ0 mg
ゆず0 mg
すだち16mg
みかん46mg
グレープフルーツ194mg
じゃばら991mg
出典:大阪薬科大学生薬科学研究室/日本じゃばら普及協会

花粉症に効果があることがメディアで紹介された

テレビで紹介されるじゃばら

じゃばらが花粉症に効果があることが口コミで話題となり、その情報をメディアが紹介したのです。

そこから、じゃばらが花粉症に効果があることが全国的に知られるようになりました。

参照:KBC シリタカ! 花粉症に効果あり!?柑橘類の「じゃばら」とは

人気が出たことで商品化が加速した

じゃばらの認知度が上がった今では、じゃばらジュースの他に飴、パウダー、マーマレードなどの多くの商品が展開され、あらゆる方法でじゃばらを美味しく摂取できるようになりました。

スギ花粉の時期になると、コンビニでもじゃばら商品が並ぶことがあります。

参照:UHA味覚糖 邪払のど飴

じゃばらを摂っていいのはどのくらいの量?毎日飲んでも平気?

花粉症症状の緩和のためにじゃばらを摂取するにはどのくらい摂取すればいいのでしょう?

許容量などはあるのでしょうか?

実はじゃばらは食品であるため、沢山食べても摂りすぎになることはありませんし、副作用もありません。

花粉症改善効果を期待するなら、1日10mlのじゃばらの果汁を飲むのが適量と言われています。

じゃばらの旬と選び方

じゃばらの収穫時期が11月下旬から12月上旬頃になり、店頭に並ぶ時期は12月から2月頃です。

収穫が始まる11月頃のものは皮がまだ緑色ですが、追熟すれば色が黄色になっていきます。

果皮に張りがあって丸みがあり、持った時に重みを感じるものが美味しいじゃばらです。

じゃばらの保存方法

じゃばらを長く保存したい場合は、風通しが良く、直射日光の当たらない冷暗所で保管するようにしましょう。

乾燥を防ぐために、新聞紙で包んでからビニール袋などに入れると尚良いです。

じゃばらは日持ちが良いので、環境と保存方法を守れば約1か月は保存することができます。

じゃばらは花粉症患者の希望の星!美味しく食べて健康になろう

花粉症対策で飲むじゃばら

日本人の5人に一人が花粉症であると言われていますが、じゃばらが花粉症に効果があることは花粉症患者にとっては有り難いことですね。

花粉症の薬を飲めない、飲みたくない人にとって、食物で花粉症症状が軽減することは喜ばしいことです。

ただし、じゃばらは薬ではなく食物であるため、摂取後の症状緩和には個人差があります。

あまり抗アレルギー効果を過信せずに、美味しくいただきましょう。