甘くてジューシーなネーブルオレンジは人気の果物です。
その名前の由来となっている「へそ」のような特徴的なくぼみは、多くの人が気になる特徴ではないでしょうか。
ここでは、ネーブルオレンジのおへその秘密や和歌山県の特産品であるネーブルオレンジについて、その魅力や特徴、選び方まで詳しくご紹介します。
Contents
ネーブルオレンジとは
ネーブルオレンジは一般的なオレンジと比べて大きく、皮が厚めで種がない柑橘類です。
種がない柑橘類というと温州蜜柑や種なし日向夏などが共通しています。
ネーブルオレンジの果肉は果汁が豊富で、甘みと酸味が強いのが特徴です。
特に、果実の底部にある「へそ」のようなくぼみは、このオレンジを代表する特徴として知られています。
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おへそのような特徴的なくぼみの秘密
英語で「へそ」を意味する「navel」から、ネーブルオレンジという名前が付けられました。
ネーブルオレンジの名前の由来となっている「へそ」のようなくぼみには、実は面白い秘密が隠されています。
実はこのくぼみは、果実の中に形成される双子の小さな果実なのです。
このくぼみは、外側の果実の中にもう一つの小さな果実が形成されている状態になります。
内側に存在する果実は未発達な状態のため、食用には適していません。
また、くぼみの大きさについては果実によって異なり、一つとして同じものがないところが特徴です。
一般的なオレンジの中でも、このような特徴を持つ品種は非常に珍しく、ネーブルオレンジならではの魅力となっています。
ネーブルオレンジの歴史
ネーブルオレンジの起源は、19世紀初頭のブラジルにさかのぼります。
1820年頃、ブラジルのバイア地方で発見された突然変異種が始まりとされ、その特異な形状と甘い味わいが注目を集め、1870年にアメリカのカリフォルニア州に持ち込まれました。
日本では明治時代に導入され、温暖な気候を活かして各地で栽培が始まりました。
特に和歌山県では、気候と土壌が栽培に適していたことから、主要な産地として発展していくこととなり現在に至ります。
和歌山県はネーブルオレンジの生産量全国2位
和歌山県は、温暖な気候と豊富な日照量を活かし、高品質なネーブルオレンジの栽培を行っています。
特に有田地域は、国内有数の産地として知られ、全国でも愛媛県に次ぐ第2位の生産量なのです。
和歌山ネーブルオレンジは豊富な日照量による高い糖度を誇っている
和歌山県、特に有田地域では年間を通じて日照時間が長く、この恵まれた気候条件がネーブルオレンジの品質に大きく影響を与えています。
太陽の光を十分に浴びることで、果実内で光合成が活発に行われ、糖度の高い果実へと成長していくのです。
温暖な気候がもたらした果汁の豊富さが和歌山ネーブルオレンジの魅力
和歌山県の温暖な気候は、ネーブルオレンジの果実形成に理想的な環境だと言えます。
穏やかな気温と適度な雨量により、果実はゆっくりと時間をかけて成長し、その過程で豊富な果汁を蓄えていくのです。
特に有田地域では、昼夜の寒暖差が大きく、この気候がネーブルオレンジの糖度を高める要因となっています。
また、生産者たちの丁寧な栽培管理により、高品質な果実が安定して出荷されるのです。
ネーブルオレンジの栄養素
ネーブルオレンジには、健康や美容に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
ビタミンC
ネーブルオレンジは、ビタミンCを豊富に含む果物の代表格です。
1個(約200g)あたりに約80mgものビタミンCが含まれており、これは成人が1日に必要とするビタミンC量をほぼ満たしてくれます。
また、ビタミンCは体内の免疫力を高める働きもあり、風邪をひいた時や疲れた体の回復をサポートする力を持っています。
ビタミンCは美白効果も期待できるため、女性には嬉しい果物と言えます。
β-カロテン
ネーブルオレンジには、健康を維持する重要な成分であるβ-カロテンが含まれています。
β-カロテンとは、体内で必要に応じてビタミンAに変換され、様々な健康効果をもたらしてくれる要素です。
特に注目したいのは、β-カロテンが目の健康維持に役立つという点です。
ビタミンAは視力を守るために重要な成分であり、角膜の新陳代謝を促進することで目の乾燥を防ぐためにも効果的に働きます。
ネーブルオレンジはドライアイに悩む人から注目される果物と言えます。
クエン酸
ネーブルオレンジには健康や美容をサポートする成分の1つであるクエン酸が豊富に含まれています。
クエン酸はエネルギー代謝に深く関わっており、体内でエネルギー効率をよくするサポートをしてくれるのです。
特に、運動後や忙しい日々で疲れが溜まったところにクエン酸を摂取することで、疲労回復の効果が期待できます。
また、クエン酸は代謝を促進する働きがあると言われており、体内の老廃物の排出を助けるためむくみ解消にも一役買っています。
食物繊維
ネーブルオレンジには、健康維持に欠かせない食物繊維がたっぷりと含まれています。
この食物繊維は、特に消化器系の健康をサポートする働きがあり、便秘の予防に効果的です。
食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やして腸の働きを促します。
そのため、便秘に悩む方にとっては強い味方となってくれるのです。
さらに食物繊維は腸内環境の改善にも役立ち、善玉菌のエサとなって腸内細菌のバランスを整えることで、免疫力向上や体調維持にも繋がります。
ネーブルオレンジの旬とは
国内産のネーブルオレンジの旬は、11月下旬から3月頃です。
中でも2月から3月が最盛期で、この時期に最も美味しいネーブルオレンジを楽しむことができます。
旬のネーブルオレンジは糖度が最も高くなるため、濃厚な甘さが味わえます。
さらに、果汁もたっぷりで口に含んだ瞬間にジューシーな美味しさが広がります。
この時期のネーブルオレンジは香りが豊かで、爽やかな柑橘の香りが漂いを楽しめることができるところが旬のネーブルオレンジならではです。
また、旬ならではの発色が良いオレンジ色が、冬の食卓に彩りを添える存在となってくれるでしょう。
美味しいネーブルオレンジの選び方
より美味しいネーブルオレンジを選ぶためのポイントをご紹介します。
まず手に取ってみて、ずっしりと重量感があるものを選びましょう。
形が真ん丸でへこみがないもの、発色が良くてきめが細かく艶があるものがおすすめです。
ネーブルオレンジの保存方法
ネーブルオレンジは他のオレンジに比べて果汁の劣化が早く、乾燥や高温に弱い特徴があります。
そのため、保存するには一つずつ新聞紙やポリ袋に包み、冷蔵庫の野菜室で寝かしておきましょう。
冬場の寒い時期であれば冷暗所での保存も可能です。
できるだけ1週間以内に食べることで、美味しさ変わらずに味わうことができます。
冷凍する場合は果皮をむいて保存し、1カ月以内に食べきるようにしましょう。
輪切りにして干せば、紅茶に浮かべるなどアレンジで長く楽しむことができるのでおすすめです。
和歌山で獲れたネーブルオレンジは濃厚でジューシー!旬の獲れたてを食べてみて
和歌山県産のネーブルオレンジは、温暖な気候と生産者の熟練した技術によって、糖度が高く、ジューシーな果実に育ちます。
特徴的な「へそ」を持つこの果物は、栄養価も高く、特に旬の時期には最高の味わいを楽しむことができます。
和歌山県の豊かな自然が育んだネーブルオレンジは、冬の食卓の彩りとして、多くの人々に愛されています。
ぜひ旬の時期に、新鮮な和歌山県産ネーブルオレンジを味わってみてください。
みずみずしい果汁と濃厚な味わいが、きっとあなたを魅了することでしょう。