コラム

熊野牛とは?和歌山で育った希少な有名ブランド牛「熊野牛」の魅力に迫る

熊野牛

日本では松阪牛や神戸牛などの有名なブランド牛があり、それ以外にも多くの都道府県で様々なブランド牛が生産、肥育されています。

世界的にも人気を誇る日本のブランド牛ですが、実は和歌山県にも熊野牛というブランド牛があることをご存じでしょうか?

実はこの熊野牛、和歌山県外には中々出回らない希少なブランド牛なのです。

ここでは和歌山県が誇るブランド牛である熊野牛の魅力についてご紹介します。

熊野牛とは

熊野牛とは

熊野牛とは和歌山特産の高級和牛の総称であり、国内では黒毛和種のブランド牛として高い評価を受けています。

熊野牛は但馬牛の血を引く黒毛和牛で、生産者が限定されていることなどから月平均8頭ほどしか出荷されていません。

そのため和歌山県外にはなかなか出回らない希少なブランド肉とされているのです。

肉質について

熊野牛は黒毛和種の中でも最高級と言われ、松阪牛や米沢牛にも引けを取らない肉質を持っています。

霜降りが十分あり美しく、肉の繊維が細かいため柔らかな食感と肉そのものの風味の強さが特徴です。

融点が低いため脂肪が溶け出す温度が低く、脂っこさを感じさせません。

焼いた際の香りも香ばしく、その魅力の一つとされています。

熊野牛の歴史

熊野牛とは元々和歌山県南部「熊野地方」で旧藩時代の頃から飼われていた和牛のことなのです。

当時、信仰の場であった熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三つの神社の総称)を京都の貴族や皇族が訪れる「熊野詣」の際に、その従者たちが連れてきた荷牛が農耕用の牛として紀州和歌山の地に根付いたことが始まりです。

熊野牛は当時の農耕用の貴重な労働力として活躍していました。

そして元々優秀な能力と由緒を持っている熊野牛は、選ばれた血統を取り入れて品種改良を重ねて和歌山県特産の黒毛和種として平成 3 年にブランド化されたのです。

熊野牛の美味しさの秘密

熊野牛の美味しさの秘密

和歌山県内で大切に育てられた熊野牛、その美味しさの秘密はどこから来るのでしょう。

美味しさの秘密は、和歌山県の恵まれた自然と厳しい審査制度にあります。

和歌山の恵まれた自然の恩恵

和歌山県は日照時間が長く、夏は比較的涼しく冬は比較的暖かい気候の中に位置しています。

この自然環境の中で育つ熊野牛は、紀伊山脈の豊かな緑に囲まれた土地でストレスなく育つのです。

さらに、紀州和歌山の山塊から湧き出るきれいな水を飲み、植物性飼料によって育てられます。

これらの自然の恩恵が、熊野牛の肉質に影響を与えているのです。

植物性飼料100パーセント

熊野牛の飼料は現在でも昔ながらの方法を守り、100%植物性飼料で育てられています。

この飼料の選定にも厳しい基準があり、熊野牛の健康と美味しさを引き出すために配慮されています。

植物性飼料の使用は、熊野牛の脂肪の質や風味に良い影響を与えるとされているのです。

熊野牛認定制度による厳しい審査

和歌山で育った和牛がすべて熊野牛と名乗れるわけではありません。

熊野牛のブランド価値を保つために、和歌山県では熊野牛認定制度を導入しているのです。

この制度は、熊野牛と名乗るための厳しい審査基準を設けています。

熊野牛の認定には、黒毛和種去勢牛または未経産雌牛であること、和歌山県内で出荷月齢(日齢)の半数以上を飼育し、24ヶ月齢を超えて出荷されること、さらにA3・B3以上の格付けを持つことが求められます。

認定された熊野牛には認定の証として特別なシールが交付されます。

このようにしてブランド牛である熊野牛の価値を守り続けているのです。

参照:熊野牛認定制度について

和歌山県でしか食べられない熊野牛を是非ご堪能ください

熊野牛をカットするシェフ

和歌山県内には熊野牛を取り扱う看板が掲げられたお店が沢山あります。

有名なブランド牛は国内に数多くありますが、熊野牛はそれらのブランド牛と同等の美味しさを誇りますし、出荷数が限られた希少な和牛です。

今後は海外からの観光客や世界中の人々から熊野牛の品質と味の良さが評価されるでしょう。

和歌山に来た際には是非熊野牛をご賞味ください。