コラム

和歌山のあら川の桃って?紀の川市桃山町のブランド桃「あらかわの桃」の実力

あら川の桃

梅やみかんをはじめ、多くの果物が生産されている和歌山県ですが、桃の生産も盛んなのをご存じですか。

桃の栽培に関しては西日本最大の産地で、実は岡山県よりも生産量が多いのです。

和歌山県で生産される桃に「あら川の桃」(あらかわの桃)というブランド桃があります。

ここでは和歌山県のブランド桃「あら川の桃」の魅力についてご紹介します。

あら川の桃について

あら川の桃とは

あら川の桃は桃源郷育ち

和歌山県紀の川市桃山町の北部、紀の川沿いに桃源郷と呼ばれる地域があり、桃源郷の桃畑で育った桃があら川の桃と呼ばれています。

和歌山の水はけの良い地質と温暖な気候こそが、美味しい桃を育てる条件にピッタリなのです。

あら川の桃は登録商標

平成6年(1994年)7月に「あら川の桃」「あらかわの桃」という名称が特許庁に商標登録されました。

それから平成14年(2002年)1月には、桃山町の桃生産農家や生産組合などが協力して「あら川の桃振興協議会」を立ち上げ、登録商標の一元管理と桃の品質向上を目指して様々な活動を行っています。

「あら川の桃」や「あらかわの桃」は、あら川の桃振興協議会の商標使用許諾を取得できたものだけに名付けられる特別な桃である証明なのです。

桃山町の桃源郷について

桃源郷

桃源郷は「一目十万本」と謳われる一面の桃畑が広がり、例年4月の初旬になると一斉に桃の花が咲き誇ります。

春になると桃色の霞とほのかな甘い香りに包まれることから環境省が選んだ「かおり風景100選」にも選ばれており、花見客も多く訪れる人気のスポットです。

参照:環境省 69 桃源郷一目十万本の桃の花

あら川の桃の歴史

あら川の桃の歴史

紀州和歌山で桃の栽培は、寛永二年(1625)に紀州藩主徳川宣公から家臣である安藤宇忠兵衛に命じて桃の苗木を植えさせたのが始まりだと言われています。(諸説あり)

その後天明二年(1782)に紀の川市桃山町段新田(旧段新田村)の村垣弥惣八によって摂津の国池田から桃の苗木を導入したと文献に記されています。

本格的な栽培は明治時代から行われるようになり、品種、品質の改良を積み重ねて今日に至っています。

あら川の桃の品種と特徴

あら川の桃の品種と特徴

あら川の桃には品種が主に5種類あり、それぞれ個性的な桃となっています。

出荷時期によって品種が変わってきますので、下記を参考にしてください。

あら川の桃の品種出荷時期
日川白鳳(ひかわはくほう)6月下旬から7月初旬
八幡白鳳(やはたはくほう)6月下旬から7月上旬
白鳳(はくほう)7月上旬から7月上旬
清水白桃(しみずはくとう)7月下旬から8月上旬
川中島白桃(かわなかじまはくとう)8月初旬から8月中旬

日川白鳳

早生品種の桃で一番有名な桃が日川白鳳になります。

美しい丸い形をしており、表皮の赤味が濃く程よい硬さを持ち、酸味が少なく甘みが強いのが特徴です。

果汁たっぷりでジューシーでみずみずしいお味で、ここ数年面積が増加している品種になります。

八幡白鳳

白鳳の枝変わり品種で形は扁円形で実は赤く、果肉がきめ細かく柔らかい実になります。

果汁の多さと桃の香りが際立つ早生品種です。

白鳳

あら川の桃で一番多く作られている品種が白鳳になります。

実の色は乳白色、肉質は緻密で繊維が少なく酸味が殆どありません。

とろけるような口当たりで糖度も高く、果汁もたっぷりな桃です。

清水白桃

清水白桃は別名「桃の女王」と呼ばれている有名な品種です。

果皮の果肉も乳白色で、完熟したとしても他の品種のように赤味は出ません。

甘い香りで酸味が少なく果汁が滴るほどのジューシーさです。

栽培が一番難しい桃と言われており、虫や病気に弱く触れるだけで跡が付くような繊細な桃のため出荷数が少なく希少な桃と言えます。

川中島白桃

大玉で果皮全体が鮮やかな濃紅色をしています。

暑い夏の間に一番陽を浴びている品種なので旨味や甘さは一番です。

肉質は身が締まっており硬さを保っているため、ざくっとした歯ざわりで食べ応えがあります。

日持ちの良さが特徴で、追熟すれば柔らかい桃になるため1品種で二度楽しむことができます。

あら川の桃を美味しく食べるコツ

あら川の桃を美味しく食べるコツ

あら川の桃の美味しさを120パーセント引き出すために、美味しく食べるための手順をご紹介します。

流水で桃をよく洗う

あら川の桃を食べる前に、必ずよく流水で洗いましょう。

洗うことで表面のウブ毛や異物を取り除くことができ、清潔な状態で食べることができます。

特に農薬や残留物を気にする方は、しっかり洗浄することをおすすめします。

冷蔵庫で2~3時間冷やす

あら川の桃は冷やすことでより一層の甘みや爽やかな風味が楽しめます。

冷蔵庫などで2~3時間程度冷やすと桃の美味しさが引き立ちます。

ただし、長時間冷やしすぎると糖度が低下する場合があるため、適度な冷やし具合を心掛けましょう。

皮をむいてカットして食べるもよし、丸かじりも最高です

桃の食べ方は、皮を剥いて切り分けて食べると果肉の香りとふわっとした食感や甘みを存分に味わうことができます。

また丸かじりすれば、滴るジューシーな果汁が口いっぱいに広がり、より贅沢なひとときを楽しむことができます。

皮が剥きにくい場合は湯剥きしよう

まれに桃の皮が剥きにくいことがあります。

そのような場合は、トマトを湯むきする要領で桃を10秒ほど熱湯に漬け、すぐに氷水などで冷やします。

すると皮が簡単にむけるようになり、手軽に桃の皮を剥くことができます。

あら川の桃は選ばれし桃だった!夏になったら是非味わって

和歌山のあら川の桃の魅力を知っていただけたでしょうか。

桃の花は1本の樹に一万個ほどの花が咲きますが、そこから美味しい桃を作るために収穫されるのは選ばれた300~350個程度です。

そうして育った和歌山の夏の果物を元気においしく食べて欲しいので、あら川の桃を是非一度お買い求めいただきたいです。