栄養豊富で美味しい「しらす」は、釜揚げしらす、しらす干し、ちりめんじゃこ等、あらゆる形で日本の食卓を彩ってきた食材です。
特に和歌山県産のしらすは水揚げ港の近くに加工場が多いため、漁獲から加工までの時間が短いことから新鮮なまま加工されます。
そのため和歌山県産のしらすは、ふんわりとしたぷりぷりの食感で美味しいと人気です。
ここでは、和歌山で獲れるしらすの魅力についてご紹介します。
Contents
しらすとは
一般的にはしらすと呼ばれていますが、しらすとは魚の名前ではありません。
しらすとは、以下ののような魚の「稚魚の総称」なのです。
- イワシ
- ニシン
- イカナゴ
- 鮎
- ウナギ
その中でもカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシの稚魚が、皆がよく知る「しらす」に該当します。
一般に流通されているしらすのほとんどはカタクチイワシの稚魚です。
しらすの種類について
しらすの名前がいくつもある理由は、水分量や干す時間によって名前が変わるからです。
地域によっても呼び名が変わります。
名称 | 水分量 | 状態 |
---|---|---|
釜揚げしらす(釜揚げちりめん・しらす) | 75~88% | 獲れたての生のしらすを釜茹でしてから出荷したもの |
しらす干し(中干ししらす・太白ちりめん・太白・やわ干し・やわ乾・しらす・しらす干し・普通干し) | 65~72% | 釜茹でしたしらすを天日で2時間程度干して少し乾燥させたもの |
ちりめんじゃこ(上干ちりめん・ちりめん・かちり) | 35~50% | 釜茹でしたしらすを天日で半日程度干してよく乾かしたもの |
これらはそれぞれ食感が異なるため、調理法によって使い分けられます。
しらすの名前の由来
しらすという名前の由来は諸説あるのですが、中でも有力なものが、江戸時代の奉行所での裁きのシーンでよく見る白い砂利が敷き詰められた「お白洲」から来ている、という説です。
干してあるしらすが一面真っ白な状態から、お白洲に例えられたのではないかと考えられています。
地域によって変わるシラスの価値
しらすと一言で言っても地域によって呼び名が変われば価値も変わってくるようです。
関東では釜揚げしらすが人気で、関西ではちりめんが人気と言われています。
そして関東では大きさが揃っていて真っ白なしらすが高値で取引される一方で、関西ではおなかが赤いしらすを「赤腹」と呼んでおり、通常のしらすとは区別して売られているほど特別に扱われています。
お腹が赤いしらすというのはエビやカニなどの甲殻類のプランクトンがお腹に残っている状態のことで、これらが集められることで色が赤いちりめんに見えるのです。
しらすの旬
しらすの親であるカタクチイワシは年中産卵しており、漁獲も通年行われていますが、一番おいしい旬となると特に春と秋がピークでしょう。
3月から5月に掛けて獲れるしらすは春しらす、9月から10月に掛けて獲れるしらすは秋しらすと呼ばれています。
しらすの栄養素
しらすは丸ごと食べられることから、魚に含まれる栄養素を余すことなく頂くことができる食材です。
しらすに含まれる栄養素は主に以下ようになっています。
- カルシウム
- タンパク質
- ビタミンD
- ビタミンB12
- EPA
- DHA
ここで興味を引くポイントは、しらすは加工方法でカルシウム含有量が変わるということです。
以下の表を見てみましょう。
しらすの加工方法 | 100g当たりのカルシウム量 |
---|---|
生 | 210mg |
半乾燥品 | 520mg |
微乾燥品 | 280mg |
釜揚げしらす | 190mg |
乾燥させることでカルシウムが増えるなんて、しらすは興味深い食品ですね。
なぜ和歌山県はシラスの消費量が日本一なのか
実は和歌山でのしらす漁獲量は日本でも10位と、決して多い漁獲量ではありません。
それなのになぜ和歌山はしらすの消費量が日本一なのでしょうか?
それは和歌山の食文化に起因するのではないかと考えられえています。
和歌山では古くから地元産の新鮮なしらすを使った料理が多くあります。
それは漁獲から加工までの時間が短いことから鮮度の高いしらすを食すことができたからこそ生まれた文化なのかもしれません。
また、地産地消だけではなく観光地としての人気からもしらす料理を食べる観光客が消費を後押ししていると考えられます。
和歌山の和歌浦湾で獲れるしらすは「わかしらす」というブランド名で流通しています。
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美味しいしらすを食べるなら和歌山産で間違いなし!
和歌山県にはあらゆる市場、あらゆる飲食店でしらす料理が提供されています。
それは和歌山県産のしらすが美味しいことから、観光で遊びに来た人に「うちの県で獲れたしらすは特別に美味しいから是非食べてほしい」という地元の人たちの気持ちの表れとも言えるでしょう。
和歌山県に遊びに来たあかつきには、県民自慢の新鮮なしらすを食べてみてください。