コラム

和歌山のたねなし柿を食べて健康長寿になろう!実は凄い柿タンニンの力

和歌山のたねなし柿

秋の味覚の代表格である柿。

中でも和歌山県の誇る「たねなし柿」は、食べやすさと栄養価の高さで多くの人々に愛されています。

今回は、和歌山県の特産品である種無し柿の種の秘密と、それに含まれる栄養素である柿タンニンの健康効果について詳しくご紹介します。

なぜ種無し柿には種がないのか?

なぜたねなし柿には種がないのか

種無し柿が生まれた理由は、自然の突然変異にあります。

通常、果物の種子は受粉によって形成されますが、種無し柿は受粉しても正常な種子が形成されない特徴を持っています。

この特徴は栽培者によって代々受け継がれ、改良が重ねられて今の形になりました。

柿の品種には種ができやすいものとできにくいものがある

柿の品種は大きく分けて、

  • 種ができやすい品種
  • 種ができにくい品種

に分類されます。

この違いは、花粉の受粉能力や胚珠の発達具合によって決まります。

和歌山県の代表的な種無し柿である「刀根早生」は、受粉しても種子が十分に発達しない特性を持っているのです。

種無し柿の品種とその特徴

柿の種類

和歌山県で栽培されている主な種無し柿の品種には以下のようなものがあります。

柿の種類特徴収穫時期
刀根早生(とねわせ)最も多く栽培されている品種で、甘みが強く、果肉は柔らかめ9月下旬~10月上旬。
刀根早生(とねわせ)最も多く栽培されている品種で、甘みが強く、果肉は柔らかめ9月下旬~10月上旬
富有(ふゆう)完全な種無しではないが、種が少なく、甘みが強いのが特徴11月上旬~12月上旬

種ありの柿と種無しの柿はどちらが美味しい?

味の面で言えば、種の有無よりも栽培方法や収穫時期の方が味に大きく影響するためどちらが美味しいかは比べることができません。

しかし、種無し柿は食べやすさという点で大きくリードしています。

種を気にせずに食べられることから、種無しの方が特に子供やお年寄りに人気があると言えるでしょう。

柿の生産量日本一は和歌山県

柿の生産量日本一の和歌山

和歌山県は柿の生産量で日本一を誇ります。

温暖な気候と豊かな土壌、そして長年培われてきた栽培技術により、高品質な柿の生産が可能となっています。

特に紀の川市を中心とした地域では、広大な柿畑が広がり、秋には見事な景観を作り出しています。

和歌山のたねなし柿に含まれる柿タンニンが凄い!

柿タンニン

和歌山のたねなし柿に含まれる栄養素の一つである柿タンニンは、柿に含まれる特有の機能性成分です。

柿タンニンには、抗酸化作用や抗アレルギー作用があることが研究で明らかになっています。

柿タンニンとは?その特徴と働き

柿タンニンは、柿特有の渋み成分として知られる機能性ポリフェノールの一種です。

特に未熟な柿に多く含まれ、熟すにつれて減少していきます。

和歌山のたねなし柿には適度な量の柿タンニンが含まれており、以下のような特徴を持っていることが研究で明らかになっています。

  • 強力な抗酸化作用
  • 抗炎症作用
  • 血管機能の改善効果
  • 腸内環境の改善効果

効果の詳しい内容は以下で解説します。

柿タンニンにはLDLコレステロール値を下げる効果がある

和歌山県農業協同組合連合会(JA県農)などの研究グループが2023年9月に発表した最新の研究結果によると、和歌山のたねなし柿に含まれる柿タンニンには、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げる効果があることが科学的に実証されました。

LDLコレステロールは、血管内に蓄積されると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞などの深刻な健康問題を引き起こす可能性がある脂質の一種です。

そのため、この研究結果は、日常的な健康管理における和歌山のたねなし柿の重要性を示すこととなったと言えます。

参照:JA和歌山県農 柿タンニンによる悪玉コレステロール値低減作用を実証

血圧の調整作用が期待できる

柿タンニンには血圧の上昇を抑制する効果も確認されています。

その作用メカニズムは主に欠陥内皮細胞の機能を改善することによって発揮されます。

具体的には血管内補細胞において一酸化窒素(NO)の産生を促進し、これによって血管の弾力が維持されることが奈良県立医科大学の研究で分かっています。

臨床研究においては柿タンニンの継続的な摂取による血圧の安定化が確認されており、特に収縮期血圧に対して顕著な効果が観られています。

更に重要なポイントとしては、正常血圧の人が摂取した場合でも血圧が必要以上に低下するという報告がされていないところです。

すなわち、日常的な健康管理における安全性の高い食品成分であることが分かったのです。

参照:奈良県立医科大学 柿ポリフェノールによる血管弛緩作用と血管収縮抑制作用を証明

血糖値の上昇を抑制する

血糖値の上昇を抑える

柿タンニンには、血糖値の上昇を抑制する効果があることも研究で明らかになっています。

この効果は主に糖質の吸収を抑制することによってもたらされるものです。

柿タンニンはα-グルコシダーゼ(糖類を分解してグルコースを生成する酵素)の働きを阻害することで腸管での糖質の吸収速度を緩やかにし、」食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれます。

さらに、柿タンニンには膵臓のβ細胞を保護する作用があり、これによりインスリンの分泌機能が維持されます。

また、インスリン抵抗性を改善する効果も確認されており、体内の糖代謝を正常に保つための一助となってくれるのです。

参照:近畿大学農学部 柿タンニンの機能性を活用した食品開発への展望

抗炎症効果がある

柿タンニンの持つ抗炎症作用については、体内での炎症性サイトカイン(炎症反応を促進する働きを持つたんぱく質)の産生を抑制することが確認されています。

特に慢性的な炎症を予防する効果が期待されており、様々な生活習慣病の予防に役立つ可能性が見出されているのです。

和歌山のたねなし柿は機能性表示食品と認定

和歌山県産のたねなし柿は、その健康効果が科学的に認められ、消費者庁より2023年8月に機能性表示食品として認定されています。

この認定を受けるために和歌山県では花卉の栽培から店頭に並ぶまでの全工程で、細かな品質管理の仕組みを作りました。

特に柿タンニンが決められた基準を満たすように管理し、どの畑で育てられたのかを調査できる仕組みまで作ったのです。

それらのお陰で消費者には「安全で品質の確かな柿」を安心して買うことができるようになりました。

和歌山のたねなし柿は美味しく健康になれる最強フルーツ

柿は最強フルーツ

和歌山のたねなし柿は、その優れた味と健康効果から、まさに「美味しく健康になれる最強フルーツ」と言えます。

種がないことによる食べやすさに加えて、豊富な栄養素と機能性成分を含んでいることから、日常的な健康管理に最適な果物です。

毎日の食生活に和歌山のたねなし柿を取り入れることで、美味しく楽しみながら健康的な生活を送ることができます。

ぜひ、この素晴らしい和歌山の特産品を味わってみてください。