コラム

紀州ひろめって知ってる?和歌山で獲れる希少な海藻の正体と魅力に迫る

ヒロメラボの紀州ひろめ

わかめや昆布などの海藻類は好きですか?

海藻類は食物繊維とミネラルが豊富でローカロリー、美味しくて身体にも良いだなんて素敵な食べ物ですよね。

実は和歌山には希少な海藻があるのですが、その名を紀州ひろめと言います。

聞いた事のない名前かもしれませんが、これから人気の食材になるかもしれない紀州ひろめ。

ここでは紀州ひろめとはどういった食べものなのか、そしてその魅力についてご紹介します。

紀州ひろめとは?

広布と書いてひろめと読みます。

紀伊半島南部に自生する海藻で、植物界褐藻植物門褐藻綱コンブ目チガイソ科ワカメ属に分類されるわかめの仲間です。

紀南地方沿岸域で獲れたひろめが紀州ひろめという名前で流通しており、姿かたちは一枚葉でとても大きく、広げれば最大1メートルくらいのサイズになります。

繁茂地域が狭く、水揚げ時期も短いことから希少な海藻とされています。

ひろめの語源

ひろめという名前は元々、食用海藻の総称が「メ(海布/海藻)」であり、その中でも特に幅広いものが「ヒロメ(広布)」と呼ばれていたことに由来したものです。

ちなみに結婚式や披露宴で使われる「おひろめ」という言葉は、ヒロメ(広布)から由来しています。

長くて大きいひろめのように幅広く長いお付き合いを、という意味からその言葉が使われたのだそうです。

紀州ひろめはどんな味?

磯の香り高く、柔らかくてとろみがあり、シャキシャキとした独特の食感とツルっとしたのど越しが特徴です。

同じ海藻でもわかめとは一線を画すほど美味しいと言われています。

湯通しすると鮮やかな緑色に変化する様子はとても美しいので一見の価値ありです。

紀州ひろめの旬とは

天然の紀州ひろめの水揚げ時期は、2月から4月頃の春になります。

ひろめは寒い冬の間に生育するのですが、近年は海水温の上昇で多く収穫することが難しくなってきました。

身体に良い紀州ひろめの栄養素

紀州ひろめには食物繊維やミネラルが多く含まれていますが、フコイダンも栄養素として体に良い影響を与えます。

フコイダンはひろめの粘液を構成している成分で、免疫力を高めたり、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。

その他にも以下のような健康効果が期待できます。

  • がんの予防効果
  • 抗アレルギー効果
  • 胃粘膜の保護
  • ピロリ菌除去効果
  • 生活習慣病の予防効果

地域団体商標を取った紀州ひろめ

地域団体商標をとった紀州ひろめ

和歌山南漁協では、ひろめを紫外線殺菌海水で1枚1枚手洗いをして出荷しています。

同漁協は、この方法で販売しているひろめを「紀州ひろめ」という地域ブランドとして、地域団体商標を取りました。

今では紀州ひろめは安心安全なひろめとして日本国内で浸透しています。

紀州ひろめをPRするゆるキャラ、その名もヒロメタロー

ヒロメタローのきぐるみ

出典:有限会社三恵美術商会

紀州ひろめを多くの人に知ってもらうために生まれたキャラクター、それがヒロメタローです。

ヒロメタローは紀州ひろめを広めるために、全国各地のイベントやショッピングモールに出演しています。

以下はヒロメタローのプロフィールです。

ヒロメタローのプロフィール

出典:リビング和歌山

海育ちなのに泳げないキャラなのだそうです、可愛らしいですね。

「紀州ひろめをヒロメタロー」というテーマソングもあります。

参照:Youtube hirome

紀州ひろめの美味しい食べ方

紀州ひろめの独特な食感を楽しむためには、さっと湯通しして食べる方法がおすすめです。

特にしゃぶしゃぶなら湯通しした瞬間の鮮やかな緑色を目でも楽しむことができます。

その他にも色々な食べ方で紀州ひろめを堪能することができます。

  • サラダ
  • 塩ゆで
  • 味噌汁
  • 酢の物
  • 炊き合わせ
  • 天ぷら

紀州ひろめの保存方法

生の紀州ひろめは冷凍することができますが、鮮度を保つためには急速冷凍がおすすめです。

生の紀州ひろめをしっかりと水洗いして、一口大のサイズに切り分けます。

30秒ほど湯通しした紀州ひろめは粗熱を取ってよく絞り、ラップに小分けして包んで急速冷凍しましょう。

そうすれば食べたい時に流水解凍ですぐに食べる事ができます。

美味しい紀州ひろめの選び方

紀州ひろめは鮮度が落ちやすいので、新鮮なものを選んでください。

茶褐色で、その色合いの濃いもの、藻体のしっかり硬いものが美味しい紀州ひろめです。

水揚げ初期の若いひろめは柔らかい歯ごたえですが、水揚げ後半になるとシャキシャキとした食感に変わります。

お好みの紀州ひろめを選んでください。

これからの紀州ひろめ

ひろめは鮮度が落ちやすく、水揚げされる期間も短いため、産地から遠い市場には流通されてきませんでした。

そのため紀州ひろめを安定的に供給できるようにする為に、ひろめの養殖方法が確立されました。

現在では和歌山県内で養殖が行われています。

生ひろめだけではなく、冷凍ひろめや乾燥ひろめなどの加工した紀州ひろめが、これから多くの市場で出回るかもしれません。

まとめ

和歌山県産の紀州ひろめについて、色々知ってもらえたでしょうか?

紀州ひろめは通販で手に入る他、ふるさと納税の返礼品としても手に入れることができます。

和歌山で獲れた希少な海藻を、是非ご家庭でも楽しんでください。