コラム

和歌山は柿の生産量日本一!人気の秘密と紀州のブランド柿について解説

和歌山のブランド柿

秋が近くなってくるとスーパーや庭先にある樹に艶々とした橙色の柿が並び、季節を感じられますよね。

日本では柿を「カキ」と呼びますが、世界共通の学名も「Kaki」と表記されるほど、柿はジャパニーズフルーツとして世界的に認識されている果物なのです。

和歌山ではそんな柿の生産がとても盛んで、秋に入ると最盛期となり農家は大忙しになります。

それほど人気を博す和歌山の柿について、そして和歌山のブランド柿についてご紹介します。

柿の全国シェア一位の和歌山県

柿農園

柿は北は東北から、南は九州にかけて広い地域で生産されていますが、その中でも和歌山県の柿の生産量は全国の五分の一を占めています。

和歌山は昭和54年から44年連続で収穫量全国1位になるほどの柿の一大産地なのです。

和歌山は柿の栽培に適した土地

例えば柿の栽培が盛んな和歌山県伊都地方の特長として、

  • 和歌山の温暖な気候と日照時間の長さ
  • 降水量の豊富さ
  • 山地の多さからくる斜面の日照りと排水の良さ

以上の事由が挙げられます。

これらがすべて柿の木の栽培に適した条件に当てはまっている為、和歌山県では美味しい柿の栽培が可能なのです。

【合わせて読みたい記事】

紀州備長炭はプロから選ばれる理由がある!生産量日本一の紀州備長炭について解説

柿は栄養満点のフルーツ

栄養満点の柿

柿の栄養素は?と聞かれてすぐに答えられる人はそれほど多くありませんが、実は意外と栄養価が高いフルーツなのです。

主な栄養素を以下にまとめました。

ビタミンC

ビタミンCは水に溶ける性質を持つビタミンで、体内の細胞、特に皮膚、骨、粘膜などのコラーゲン生成に不可欠な栄養素です。

また、鉄の吸収を助けて免疫力を向上させるなどの多くの役割を果たします。

さらにビタミンCは抗酸化作用も持っており、過剰な活性酸素の増加を抑制することができます。

過剰な活性酸素は生活習慣病や老化の原因とされていますが、ビタミンCが豊富に含まれる柿は、これらの病気の予防や老化の防止が期待できるかもしれません。

一般的に人が一日に必要とするビタミンCの量は約100mgと言われています。

柿1個(200g)には約140mgのビタミンCが含まれており、そのことからも柿はビタミンCを補給できる優れた果物の一つと言えます。

カリウム

カリウムは体内で重要な役割を果たす必須ミネラルのうちの一つであり、細胞の水分バランスや浸透圧を調節する役割があります。

また、ナトリウムの排出を促す効果があるため、柿を摂取することにより過剰な塩分摂取によるむくみや高血圧の改善が期待できるでしょう。

特に柿は生でそのまま食べることができるため、カリウムを効果的に摂取する方法として最適な果物です。

β-カロテン

β-カロテンはカロテノイドと呼ばれる自然界に存在する色素の一成分で、柿の鮮やかなオレンジ色の色素の元となっているものです。

β-カロテンを摂取すると、それが体内でビタミンAに変換されます。

ビタミンAは皮膚を健康にし、肌荒れやニキビの改善に働きかけます。

また、ビタミンAは粘膜を丈夫にする働きがあり、喉や鼻の粘膜を整えることで風邪の予防にも効果があるのです。

さらに、β-カロテンには強力な抗酸化作用もあり、活性酸素と呼ばれる物質を抑制するため、生活習慣病や老化の防止が期待できます。

柿を摂取することで、生活習慣病の予防や老化の防止に一役買うことが期待できます。

食物繊維

柿に含まれている多くの食物繊維は不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は水に溶けにくい食物繊維で、水溶性食物繊維にはない高い保水性を持ちます。

この保水性が水分を吸収して腸内の便が膨張し、腸を内部から刺激することで便通を改善する助けになります。

不溶性食物繊維が多く含まれている柿を摂取することは、便秘の解消に繋がるのです。

さらに、食物繊維には有害な物質を排出する役割もあります。

柿を十分に摂取することで、腸内環境を整えることができるのです。

タンニン

タンニンはポリフェノールの一種で、柿の渋さはタンニン由来のものになります。

タンニンには抗酸化作用があり、生活習慣病や老化の原因となる活性酸素の増加を抑制することが期待できます。

また、タンニンにはアルコールの分解を助ける効果もあるので、飲酒前に柿を摂ることで二日酔いの防止が期待できます。

タンニンの摂りすぎには注意

良い事だらけに感じるタンニンですが、摂取量には気を付ける必要があります。

大量のタンニンを一度に摂取すると胃石の発生リスクが高まるのです。

胃石とは胃内に硬い物質が形成される症状で、胃潰瘍や腸閉塞の原因にもなります。

1日に摂るべき柿の目安は、1個から2個程度にしておきましょう。

和歌山で生産されているブランド柿はどれも絶品

和歌山のブランド柿

柿と一言で表しても、種類も味も様々です。

和歌山では品種改良を重ねて美味しくなった柿が、ブランド柿として市場に沢山売り出されています。

そこで和歌山のブランド柿の特徴を一部ここでご紹介します。

和歌山県のたねなし柿

「たねなし柿」は多くの果汁を含んでおり、食感はほどよく柔らかく、滑らかな舌触りで甘みが濃厚な柿です。

たねなし柿は食べやすさもあり、老若男女に愛されています。

でも種が無い果物って不思議ですよね?

果物栽培では蜂が雄花の花粉を付けて、他の雌花の木に運んで受粉するのがよくあるプロセスですが、柿は受精しなくとも実ができて大きくなる性質があります。

受精しないで実が大きくなると種はできないので、それがたねなし柿を食べやすく美味しくしているポイントなのです。

紀の川柿

紀の川柿の果肉は、まるで黒糖が溶け込んでいるかのような黒色をしており、シャキシャキとした固めの歯ごたえと独特のコクを感じられる高級ブランド柿です。

紀の川柿の渋抜きは、樹上で一つ一つ固形アルコールを入れたポリ袋を被せて、じっくりと時間を掛けて育てているため、紀の川柿は手間と時間が非常に掛かることろから、和歌山の幻の柿と言われています。

甘熟(あまじゅく)

完全甘柿の一種であり、大玉で糖度が高い甘熟は甘柿の王様と呼ばれています。

甘熟は一つ一つ実に袋掛けをして、収穫まで樹上で完熟させてから収穫されているため甘くてジューシーな柿になるのです。

紀州てまり

紀州てまりは手毬に例えられるほどに丸みがある大きい柿で、2020年に出荷が始まったばかりの希少品種になります。

開発に10年以上が費やされた特別な柿は、サクサクとした食感に果汁がたっぷりです。

果皮の赤褐色も美しく、早生の甘柿でこのタイプは珍しいとされています。

参照:和歌山県 わかやま食材テロワール「柿」

美味しくて健康に良い和歌山産の柿で日本の秋を味わおう!

和歌山の柿をほおばる子供

柿は昔から「柿が赤くなれば医者が青くなる」という言葉があるほど、栄養価の高い果物として知られています。

和歌山産のブランド柿にはまだ沢山の種類がありますが、どれも個性的で美味しい粒ぞろいの果物です。

和歌山のブランド柿を食べ比べつつ、健康にもなりながら日本の秋を愉しむのはいかがでしょう。