コラム

ほろほろ鳥が和歌山にいるのはなぜ?「ホロホロ鳥」焼き鳥世界一の理由に迫る

ほろほろ鳥が和歌山にいるのはなぜ?「ホロホロ鳥」焼き鳥世界一の理由に迫る

ほろほろ鳥(ほろほろちょう)という鳥をご存じですか?

ほろほろ鳥はアフリカからアラビア半島にかけて広く棲息しているキジ科の鳥ですが、和歌山県ではなぜかそのほろほろ鳥が飼育されています。

アフリカ西部に棲息するほろほろ鳥がなぜ和歌山で飼育されているでしょう?

ここでは、ほろほろ鳥と和歌山の関係について解説します。

ほろほろ鳥とは

ほろほろ鳥とは

ほろほろ鳥(学名:Numida meleagris)は、キジ目ホロホロチョウ科に分類される鳥類です。

アフリカ大陸を中心に広く分布し、草原や開けた森林に生息しています。

現在では世界中で飼育されている鳥です。

ほろほろ鳥の特徴的な外見

全長は53cmほどの大きさで、顔が小さく黒い羽毛に白い斑点が特徴的です。

頭から首にかけて羽毛がなく、ケラチン質に覆われた骨質の突起があり、顔や首回りには赤や青の肉垂を持っています。

この姿はオス・メスともに同じであるため、パッと見ただけでは性別は分かりません。

体重もオス・メスあまり差はなく1.3kg~1.9kgほどで、野生のほろほろ鳥よりも家禽(かきん)のほろほろ鳥の方が大きくなる傾向にあります。

ほろほろ鳥の生態

野生のほろほろ鳥は病気に強くて丈夫ですが、寒さに弱く神経質な鳥です。

群れを形成して生活し、時には2,000羽以上の大規模な群れを作ることもあります。

繁殖期を迎えたオスは自分の縄張りを持ち、群れから離れて行動するようになりますが、神経質なところから、危険を察知すると警戒音を発したり、走ってその場を離れたりして身を守ります。

短距離であれば飛び立つこともできますが、主に夜間のねぐらとして木に登る際に飛ぶくらいです。

また、雑食のため虫でも果実でも種でも、なんでも食べます。

ほろほろ鳥は足が速い

ほろほろ鳥の最も注目すべき特徴は、その驚異的な走力です。

実測では時速68kmもの速さで走ることができ、人間はもちろん、品種によっては犬をも上回る速さです。

この能力が野生環境での天敵から身を守ることに役立っています。

ほろほろ鳥の味と栄養素

ほろほろ鳥は食用として飼育されており、食鳥の女王とも言われている鳥です。

肉質は赤みが濃くしまっており、独特の風味があります。

キジ肉に似ていますがキジ肉独特の臭みやクセがなく、コクがあってジューシーでとても美味しいことから、フランス料理やイタリア料理の高級食材として重宝されています。

栄養面では、一般的な鶏肉と比べてタンパク質が豊富で脂肪が少なく、鉄分やビタミンB群も豊富に含まれています。

100g当たりのカロリーは約140kcalのため、健康志向の方にも適した食材と言えます。

またコラーゲンも豊富で、美容効果も期待できる食材として注目されているのです。

ほろほろ鳥と和歌山の関係性

ほろほろ鳥と和歌山の関係性

アフリカ棲息のほろほろ鳥がなぜ和歌山で飼育されているのでしょうか?

それにはいくつかの理由がありました。

飼育に適した環境

和歌山県は通年温暖な気候で豊かな自然環境が整った地域です。

寒さに弱く、神経質なほろほろ鳥には暖かく広い敷地が必要であるため、和歌山県の環境がほろほろ鳥の生育環境にマッチしたためです。

和歌山県では、昭和57年(1982年)に日高川町でホロホロ鳥の本格的な飼育が始まりました。

この取り組みは、和歌山県養鶏試験場が試験飼育を開始したことに端を発し、現在では日高川町の特産品として定着しています。

和歌山県日高川町の気候は、年間平均気温が約15℃と比較的温暖で、夏場も30℃を超える日が少なく、ほろほろ鳥の飼育に適しています。

また、周辺の山々からの清浄な水と新鮮な空気、そして広大な土地を活用した放し飼いが可能な環境も、高品質な肉質を実現する要因となっています。

観光や地域ブランド化の一環

和歌山県日高川町の地域特産の食材として注目された食材こそがほろほろ鳥でした。

ほろほろ鳥は脂肪分が少なく、柔らかい肉質で「幻の高級肉」とも呼ばれます。

そのため、地元のブランド食材として全国に発信しようという試みがされたのです。

日高川町は2005年に町の特産品であるホロホロ鳥と紀州備長炭を活用し、世界最長の焼き鳥に挑戦しました。

全国やきとり連絡協議会の審判員が慎重に測定を行い、11m7㎝という記録を認定。

従来の記録を1m以上更新し、見事焼き鳥の長さ世界新記録を樹立しました。

これによって更に日高川町のほろほろ鳥の知名度が上がることとなったのです。

参考:和歌山県 日高川町の「ホロホロ鳥」焼き鳥世界一へ

ほろほろ鳥は日高川町の道の駅で食べられる

ほろほろ鳥は日高川町の道の駅で食べられる
※写真はイメージです

阪和自動車道の川辺ICから10~20分ほどの場所に位置する道の駅SanPin中津は、ほろほろ鳥を気軽に味わうことができる場所で。

併設の農家レストラン「ほろほろ亭」では、ほろほろ焼き鳥やほろほろ丼など、様々なほろほろ鳥料理を提供しています。

人気メニューの「ほろほろ鳥の親戚丼」は、ほろほろ鳥と鶏卵を組み合わせた創作料理となっており、観光客に人気です。

また、道の駅の特産品直売所では新鮮な地元野菜や果物に加え、ほろほろ鳥の精肉も取り扱っているため、保冷バッグを持参すれば自宅でも美味しく味わうことができるのです。

参考:SanPin中津

ほろほろ鳥は日高川町の希少な人気食材!ぜひお取り寄せして食べてみて

ほろほろ鳥は日高川町の希少な人気食材!ぜひお取り寄せして食べてみて

和歌山県日高川町のほろほろ鳥は、地域の気候や環境を活かした特産品として、また観光資源として重要な役割を果たしています。

その独特の味わいと希少性は多くの人々を魅了し続けており、地域活性化の象徴ともなっています。

普段中々食べる機会がないほろほろ鳥ですが、日高川町にある道の駅SanPin中津ではレストランでの提供のほかにほろほろ鳥の冷凍肉を地方発送しています。

高級食材をお家で楽しむことができるので、この機会にぜひお取り寄せして味わってみてください。